自鯖でストリーミング再生 - どこでも見れるメモ帳

やりたいこと

自鯖にある各種動画ファイルをストリーミング再生できるようにします．

方法

今回は，ストリーミング再生をHTML5によるvideoタグを用いて実現します．
詳しくは，こちらのサイト（http://www.html5rocks.com/ja/tutorials/video/basics/）にありますように，
apacheにおけるMIMEタイプの設定するだけで出来るので，すぐに効果が得られます．

ただし，この方法では，ストリーミング再生できるフォーマットに限りがありますので，動画ファイル自体のエンコードで対応する必要があります．
ここでは，圧縮形式でよく利用されるmp4（avc+aac）にエンコードします．

この方法を採る理由

ストリーミング再生する方法は多くありますが，あえて今回上記の方法を採るのは，

自鯖に既にapache/webdavを導入しており，簡単に導入できそう
自鯖のスペックが糞（atom）なので，クライアントから再生する際にリアルタイムにトランスコードできない

という理由からです．
主に2つ目の理由が大きいです．

今回の方法では，サーバはクライアントに対して単純にデータを流すだけで良い，つまり計算能力が必要ないので，
サーバの負荷が小さい点がメリットと言えそうです．*1

やったこと

大まかな流れ

以下，すべてサーバ側の設定となります．

apacheの設定
- 拡張子がmp4のファイルに対して，video/mp4のMIMEタイプを設定する

動画ファイルをブラウザで直接再生できる形式にffmpegを用いて変換
- すべての動画がMP4（avc+aac）になるようにエンコードする
- なるべく劣化を抑えてコンテナ変換する

apacheの設定

httpd.confを開いて

[root@centos ~]# vim /etc/httpd/conf/httpd.conf

以下のようにvideo/mp4をAddTypeします．
詳しくはこちらのサイト（http://www.adminweb.jp/apache/docroot/index4.html)を参考にさせて頂きました．

#
# AddType allows you to add to or override the MIME configuration
# file mime.types for specific file types.
#
#AddType application/x-tar .tgz
<FilesMatch "\.mp4$">
  AddType video/mp4 .mp4
</FilesMatch>

httpdを再起動することを忘れずに．

[root@centos ~]# service httpd restart

これでmp4ファイル（avc+aac）に対してブラウザからapache経由でアクセスすると，ブラウザで再生できるようになります．

動画ファイルのエンコード

今回の方法で再生できるフォーマットはmp4（avc+aac）のみです．
コンテナが同じでも，コーデックの組み合わせが異なれば再生出来ません．*2
なので，すべてのファイルをmp4(avc+aac)にしておく必要があります．

しかし，一般に，エンコードはすればするほど品質が劣化してしまいます．
そこで，なるべくエンコードせずにフォーマットを揃えるようにします．
つまり，非多重化*3してから，エンコードが必要な場合のみエンコードしmp4に多重化*4します．

以下，４つのパターンに分類してスクリプトを作成します．

# 映像・音声コーデックが同じでコンテナが異なる場合（例えばflv(avc+aac)）
$ ffmpeg -i input.flv -acodec copy -vcodec copy output.mp4

# 映像コーデックが同じで音声コーデックが異なる場合（例えばmp4(avc+mp3)）
$ ffmpeg -i input.mp4 -acodec libvo_aacenc -vcodec copy output.mp4

# 映像コーデックが異なり音声コーデックが同じ場合（例えばavi(vp6+aac)）
$ ffmpeg -i input.avi -acodec copy -vcodec libx264 output.mp4

# 映像・音声コーデックが異なる場合（例えばavi(xvid+mp3)）
$ffmpeg -i input.avi -acodec libvo_aacenc -vcodec libx264 output.mp4